Sony CSL
キャッチコピーは「予算は本社の売り上げの 1 万分の 1」です。ですから、この研究所は
つぶそうが、つぶすまいが、本社の利益率にはまったく関係ない。そういう範囲で成果を
出していく。ソニーCSL の設立当時は本社の売り上げは 3 兆円から 4 兆円くらい。一時は
10 兆円規模になりました。今少し事業規模を下げていますが、それでも 8 兆円ですから、8
億円というのが今の基礎研究的なところに出しているお金と言うことになります。平均す ると 5 億円とか 6 億円くらいだと思います。それでも 30 年という長きにわたっているので
ソニーには大変感謝しております。
資産は極力圧縮。大型設備は絶対買わないで、外部の設備を利用する
間接部門は総務・庶務のみ。他は、本社のサービスを有料で使う。
いうことでやりました。
年次契約・年俸制。野球の選手みたいなものですが、アメリカにおけるマネジメントに 近いかもしれません。
それから、「自分の評価を自分で提案する」。マネジメント側が「こういうところで研究
者を評価するよ」と言った途端に、研究者はそれに合わせた戦略で研究を始めます。そう
ではなくて、「自分で評価基準を持ってきなさい。それで議論しましょう」。これも 30 人だ からできる話かもしれないです。
そして、10 年ごとに統一テーマを変えてリフレッシュする。これは 10 年ごとに研究所を
建て替えるくらいのつもりで、かなり大幅に変えました。
スピンアウトしたらしい
スマートフォンやデジタルサイネージ、IoT(Internet of Things)、ウェアラブルデバイスなどを活用したセンシング技術やインタラクティブ技術ソリューション(「PlaceEngine」屋内測位ソリューション、笑顔認識ソリューション、行動認識ソリューション、スポーツセンサーボード「Q.board」など)
実空間の価値を増幅する実空間アプリケーションの受託開発
企業や学術研究機関などとのPoC(Proof of Concept), 実証実験、共同研究開発
また、義足については、研究は研究所で行い、商品開発は Xiborg という会社をつくって
そこでやっています。それから、OTOTAKE Project で、乙武さんとコラボレーションして、
乙武さんが自分の力で歩けるようにするというプロジェクトもしています。